黎明日和

気の向くままに、書きたい事を。

自分の可愛いを信じる。

ここまで情緒が不安定になるプリキュアのバトンタッチ時期が今まであっただろうか…

 

『トロピカルージュ!プリキュア』を一年通してずっと推しているのは今更言うまでもないんだけど。

物語も佳境に入り、例年通りに行けば二月から始まる新しいプリキュアとの交代が頭をよぎるようになるこの時期。否応なく終わりが近づいているんだと実感させられる。

 

プリキュアシリーズは『スマイルプリキュア!』からほぼ継続して毎週の放送をテレビで見ているのだけど、一つのシリーズが終わってしまうことがここまで寂しく、後ろ髪を引かれるような気持ちに駆られ続けているのは間違いなく『トロプリ』が初。

 

ずっと『トロプリ』を見ていたい、『トロプリ』の最終回を永遠のあとまわしにしてほしいとすら思いながら、先週の『トロプリ』を見終わった直後。とうとう次作『デリシャスパーティプリキュア』の予告が流れる。ああ、新しいプリキュアの特報が流れる時が来てしまったかと、などと思いつつ予告を見る。

 

キュアプレシャスめちゃくちゃ可愛いな?????

 

完っ全にやられましたね。

主人公の和実ゆいが美味しそうにご飯を食べるシーンと、和実ゆいがキュアプレシャスに変身する一連のシーンが流れたんだけど、そのシーンだけで完全に引き込まれた。

キュアプレシャスのデザイン自体が、自分の好きなポイントが抑えられているからだと思うんだけどそれ以上に、懐かしい気分を感じたんですよね。

プリキュアではかなり珍しく和装のデザインを取り入れた、新鮮なデザインなのにどこか懐かしく、安心感があるような雰囲気だというのが第一印象。

一昔前の、それこそ好きなアニメキャラが増えるたびに『俺の嫁』と言っていた時期のアニメみたいな雰囲気をどことなく漂わせてるからかなぁ……

『デパプリ』に関しては先日の『トロプリ』終了後の予告動画が流れるまで、タイトル以外の情報が全て伏せられていたのでインパクトが余計に大きかったのもあるんだけど。

 

というわけで、『デパプリ』が楽しみという期待と、『トロプリ』が終わってしまう未練が自分の中でぶつかり合ってとんでもなく情緒不安定な気持ちを抱えてしまったのだった。

 

ただ、こういう事言うと「あんだけ『トロプリ』好きだって言ってたくせに新しいプリキュアが出たらあっさり乗り換えるのか」とか、言われてしまうような気がしてしまうんだよね……

こう思ってしまうのも、昔からちょくちょくそういう事を言われてきたからかなぁと。

新作アニメのあのキャラが好きだというと「ニワカだ」と言われ、「毎回一番人気のキャラに引っかかってるな」と茶化される。もっと酷いときは作品そのものをバカにされたことすらあった。

言った当人は冗談のつもりだったかもしれないけど、コレが自分でも驚くくらい深く心に残ってしまってるんだよね……

もっと遡ると、アニメや漫画を好きだという気持ちそのものを事あるごとにバカにされながら育ってきたなぁと。親族からも散々言われたし、小中学校のクラスメイトはアニメを好んで見ている方が少数派だったし。

表向きはそれこそ『○○は俺の嫁』とTwitterでおおっぴらに書き込んでいたりしているのだけど、内心はバカにされるんじゃないかとヒヤヒヤ思っていたのし、長年そんなしこりのようなものを抱えて生きてきた。

 

長年抱えてきたそんな思いがようやく氷解しはじめたのが、『トロプリ』のキュアコーラルこと、涼村さんごの言葉がきっかけだった。

 

当初のさんごは周りの目線を気にするあまり、自分の「好き」を主張できない子だった。けれど、まなつやローラと出会い交流したことでちょっとずつ変化が起こり始める。

初めてキュアコーラルに変身し、彼女は「私は私を信じる、これが私の可愛いだから」と叫ぶ。

このシーンを見た時、凄くハッとした。

自分の好きなものは、好きだと信じていいのだと。

 

その後もさんごが、自分の「可愛い」を信じ、主張し、やがて自分のやりたい事を知っていく姿を『トロプリ』の中で一年通して描かれてきた。

「自分の好きなものは好きなままでいい」という言葉はいろんな場面や本、それこそこれまで見てきたアニメ作品の中にも何度も出てきたと思う。

それでも、さんごの言葉がそのどれよりも深く残っているのは、『トロプリ』という作品の持つパワー故なのかなぁとも。

 

キュアコーラル、涼村さんごに出会ってから「自分の『好き』がバカにされるかもしれない」と思い悩むことは格段に減ったと思う。

 

好きなものは、好きのままでいい。可愛い、カッコいい、好きだと感じたその感情はそのまま信じていい。

新しい『可愛い』が増えてもいい。それによって今まで好きな『可愛い』が消えることはないのだから。

 

キュアコーラルが好きなまま、キュアプレシャスを好きになればいいじゃない。

今になってようやく、自然とそう思えるようになってる自分に自分でも驚いてる。