黎明日和

気の向くままに、書きたい事を。

トロプリ映画の感想とか、シャンティア王国の考察とか。

映画「トロピカルージュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」観て来ました。

 

トロプリにどっぷりハマっているのは言うまでもなく、プリキュアシリーズの中でも特に好きな「ハートキャッチプリキュア!」が共演すると聞いてしまった以上観に行く選択肢しかなかった。

 

映画の内容だけれど、もう最の高。

 

まず、ハトプリの変身シーンと名乗りでボロ泣きでしたね……ハトプリを見たのが放送から2年くらいたった後なので、「映画館でハトプリの変身や名乗りを見られることはないだろうな」と思っていたのだけど……まさか9年越しに映画で観られるとは。

 

しかも嬉しい事に、登場プリキュア全員一人ずつフルバンクという嬉しい仕様。

自分の知る限り、映画での変身シーンはメンバー全員がひとまとめになった汎用バンクが流れるのが常で、一人一人の変身シーンを映画館で観られるとは夢にも思っていなかったわけで。

 

その試みを大好きなトロプリとハトプリでやってくれただけでもう感激ですよ。変身シーンの為だけに映画館に足運んでもいいレベル。

 

以下、ネタバレ込みで感想を綴っていきます。

 

トロプリのメンバーとハトプリチームが絡むきっかけはやはりというか必然と言うか、ローラと来海えりかでしたね。知ってた。

 

出会った二人はステージ衣装のデザインを巡って衝突。

とにかく自分が目立ちたいと主張するローラと、周囲のみんなの事も考えたデザインにすべきとアドバイスをするえりか。

ハトプリ初期の頃のえりかだと絶対ローラ寄りの考えだったよなぁ…などと思ってしまい少しニヤニヤしてしまう。ローラからしたら大分押し付けがましいアドバイスだけど、えりかは相当譲歩してるよねアレ。

 

やや自己中心的だったえりかが、つぼみと交流して変わったんだなと思えるのがその後の、モヤモヤを引きずったえりかとまなつが二人で話すシーン。

ごく自然に「つぼみのおかげ」と言えるえりかがとても印象的だったし、「わたしがローラのそばにいる」と返すまなつからも、2人の関係を感じさせられる場面だった。

 

決して長くはない尺の中で、ハトプリの4人が歩んできた時を次々と思い起こさせるシーンが丁寧に描写されてて、感情が渋滞起こしてましたね……

 

ところでハトプリと言えば、人がそれぞれの心にもつ「こころの花」とその「花言葉」が作中で重要な要素となるのだけど。

今回登場した花は「スノードロップ」。映画のキーキャラクターであるシャロン王女のこころの花でもある。

 

スノードロップ花言葉は「希望」。

みんなが笑顔になれるシャンティア王国を作りたい、という希望を抱いていたシャロン

しかし、その希望は隕石の衝突で王国が滅んだことで潰えてしまう。

皮肉にも、不思議な能力を持った隕石の力でよみがえったシャロン

全てを失った彼女が縋ったのも、シャンティア王国を復興させられるかもしれないという希望。

シャロンの『希望』が全ての根幹になっているのが本作のストーリーなんだなぁ、と。

 

けれど、このスノードロップには劇中でもうひとつ役割が。

シャンティア王国を訪れて間もなく、スノードロップを見たつぼみが「この場所にも咲いているんだ」と喜ぶシーンが何気なく描かれる。

 

物語が進み、シャンティア王国が1万年以上前に滅びている事実を知るプリキュア達。

 

そして、全てが終わった後。何もかも失った悲しむシャロンに、ローラ達がシャンティア王国の歌を歌い、この国の歌を歌い続けると約束する。

トロプリの皆が、シャンティア王国の事を忘れないと約束したシーン。

 

同じように、つぼみ達がシャロンに伝えたのが。

かつてこの国に咲いていたスノードロップは、今も咲いているのだということ。

シャンティア王国が残したものが、今も根付いているのだとハトプリの皆が伝える。

 

国が残したものと、自身が残せたものに希望を見出し、笑顔で消えていくシャロンとの別れで涙しながらも、

このシーンでスノードロップ、「花」に大きな意味を持たせたのが本当に上手いなと感心している自分がおりました。

 

 

ここからは自分の考察が混じってくるのだけど、シャンティア王国が残したものって実は他にもあるのだと思ってて。

 

シャンティア王国では、ヨーロッパ風やアラブ風の城、日本っぽい塔やエジプト風の遺跡等々……いろんな国の建物がごちゃまぜになって建っている。

これはどういう事なんだろう?と考えてみた。

 

シャロンが国民に仕立て上げようと、国に招いたのは「誰かを笑顔にできる人達」。

彼女が選んだのは歌手やマジシャンといった、アーティストやパフォーマー達。

シャロンの考える「人を笑顔にできる」は「芸術面で秀でている」という側面もあったのだろう。

つまり、かつてのシャンティア王国は芸術面で特出した才能を持った人々が多く住んでいる国だった、と想像できる。

芸術に秀でたシャンティア王国の建築家が、各々で多種多様なデザインの建造物をこぞって造り上げ、王国を訪れた諸外国の人々がそれに感銘を受ける。

そのデザインを各国で模倣して造られたのが、現在の世界に残る建物の源流なのでは……?

 

つまり「シャンティア王国ではいろんな国の建物がごちゃまぜに建っている」ではなく、

「シャンティア王国でごちゃまぜに建てられた色々な建物が、世界中の建物の原典になった」と思えてくるのですよ。

 

人々を笑顔にしたシャンティア王国のアーティスト達が残したデザインが、国がなくなっても世界中に残っているのだと考えると、すごく素敵だなと。

 

考察があっているかどうかはわからないけれど、劇中で語られない部分まできっちり作り込まれているからこそ、これほどまでに引き込まれたのだろうと思う。

 

 

結構な文字数書いたけどちょっと全然語り切れない……

今週末もう一回観に行くつもりだし、その後でまた書こう。